研究成果
『和光大学2020-2021年度社会連携プロジェクト報告書
大学を拠点とした地域スポーツ推進の試み
-コミュニティの課題解決と人材育成を目指して-』
以下、【はじめに】より
「本書は、2020 年度から2021 年度にかけて和光大学社会連携研究プロジェクトの助成を受け、大学を拠点とした地域スポーツ推進のあり方についてまとめた報告書である。
地域における課題(学校・地域連携、少子高齢化、健康増進、体力向上、子育て支援など)を解決するための手段として、地域住民が主体的に取り組むスポーツ活動の推進は、今後ますます重要になると推察される。その地域スポーツ推進の拠点として、大学が果たす役割には多くの期待が寄せられている。文部科学省の「今後の地域スポーツの推進方策に関する提言」によれば、スポーツに関わる人材(教員・学生)、スポーツ施設、スポーツに関する専門的な知見を活かし、大学が地域スポーツの拠点となり、地域における多様な関係機関と連携を図りながら、地域スポーツを活性化させることが求められている。和光大学においても、これまで地域と連携を図りながらスポーツや遊びの活動を展開してきた。本プロジェクトでは、これらの活動を踏まえつつ、大学を拠点とした地域スポーツ推進のあり方を模索した。特に地域コミュニティが抱える課題に対する解決策を模索するとともに、地域住民と学生が共に学び共に創る人材の育成について検討した。
2020 年度は、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、当初の研究計画を大幅に変更せざるを得なくなった。特に地域スポーツ推進に向けた大学と地域住民、関連団体、企業、行政等との連携を模索するためのシンポジウムの開催は、熟慮の結果断念せざるを得なかった。その一方で、コロナ禍における有益な情報を提供するとともに、地域スポーツの担い手となっている和光大学の卒業生を対象にインタビュー調査を通して、本学における学びがユニークな人材育成と資質向上に寄与しているとの仮説を見いだした。
2021 年度は、前年度の研究成果を踏まえつつ、スポーツを中心とした大学の地域貢献活動の事例を収集し、コミュニティの課題解決において大学が果たすべき役割を検討した。また、本学卒業生に対するインタビュー調査を継続し、地域スポーツ推進の担い手として和光大学がどのような人材を輩出してきたのか検証した。
本書は、社会連携研究プロジェクトで取り組んできた成果を、「地域コミュニティが抱える課題の解決」と「人材育成」の2 部構成でまとめた。本書が大学を拠点とした地域スポーツ推進の一助となれば幸いである。」